林業研修

“収入を得る”自伐林業
先祖代々受け継いできた山、または育った山を購入し、収入間伐をしている。
作業道は1.5m幅で、毎年数%ずつ、10年で2割程度間伐し、一般的な自伐林業よりもさらに環境負荷とコストの少ない方法をとる。
1日に伐る木は2、3本。どの1本を伐れば山全体にどんな影響がおきるのかを考える。1本伐った後の他の木の成長、この1本の木の売価、作業効率などなど。
一番やりがいを感じていることは、伐った後の造材と、山主さんへの還元だ。
毎月共販所から発表される木材市況を1本当たりの金額に換算した表を持参し、その場で倒した木が一番高く売れる長さと径を探し、微妙に調整しながら造材する。
径がミリ単位違うだけで何千円も損する。作業の多くをこの時間に使う。山全体を考えた上で、一本の木の伐り時を見極め、いかに高く売るか。地道に積み上げる。
このやり方で、1日5000円から、5日間で20本間伐して約17万円、1日当たり約3万円を超える収入になり、確実に成果を上げることができるようになった。
山主さんには材の売上の5割以上、補助金がある場合は10割、数年で100万円近く還元できている。簡単ではないが、山主さんを第一に、かつ「補助金ありきにならない」菊池林業の考え方の実践上に今がある。

50年で山を育てる
自伐林業では一度にまとまった収入が得にくいため、林業の収入だけに頼ることはできない。主業として木工を行い、林業を兼業している。
自伐林業は、50年以上の期間で収支を考えていくのが基本。1年では収入も得られないし山の整備もできない。
技術の未熟な初心者が補助金で穴埋めしながら無理にやろうとするので長続きしない。
補助金ありきで未熟な施業を続けると山を壊しかねないし、安全性も低い。
生活するための『兼業』が必要なのだ。その余裕がないと、良い山や良い木を出す林業はできない。
自伐型林業を始めたい人が相談された時は補助金の特異性や、山を買うことなどをしっかり説明する。



